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扉が閉じてから数年
毎年、僕のパソコンには木の実が届く。
誰が発案者なのか、(僕はゴマモンかなあと思っているけど)
不思議な色のころころとしたそれは、夜人が寝静まった頃、こっそりと贈られてくる。
だから僕はその日だけ、サンタを待ち望む子供のように、早々にベットへ入り目をつむる。
そうして背後でころころと転がる音を聞きながら、元気そうな彼らを思って安堵するのだ。
「今年は青っすか」
届くのは決まって記念日の早朝。パソコンに届いた実を今度は僕が皆に届ける。
後輩4人組は原色に近いそれに眉根を潜め少々げんなりとしている。
それに僕らは笑って、皆で懐かしみながら食べるのだ。
……物凄い味の木の実を。
「ーーー!にっげーーっ!!」
「ほら太一、お茶!」
「空くん僕にも!!」
「うわ、兄さん大丈夫?」
「辛……ッ」
「僕のは物凄く甘いですけど…」
「え〜〜いいなあアタシのすっぱーーい!」
「いつもながらすごい、味だよ、ね…」
「俺の、味がないんだけど」
「キャーーッ賢君顔真っ青!!」
「京さん木の実潰れますよ」
「ふふ」
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