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貴方という世界

「なんかお前さー、俺が出張にでると痩せて、帰ってくると太ってねえ?」

太一の海外出張後の事だった。
動揺のあまり、すり寄る太一の手から逃げる。

「えっ!?そ、そんなに変わりました…?」
「いや、抱いた感触が微妙に違う程度」
「だっ…、じゃあ、そんなに気にしなくたっていいじゃないですか」

正面から腰にまきつく腕にあわてて後退するが、
頬からリップ音がして固まってしまった。
だって、だって久しぶりだったのだ。もちろんそのあとの抱擁も。
どうしようか迷い、結局欲望のままにそろそろと抱き返し、久しぶりの幸福感に力を抜くと
油断した腹の肉をつままれた。

「ひっ?!」
「ほら、やせた。肉が無い」
「たいちさん!!」

確かに少し痩せたかもしれないがそれでも
太一の鍛えられた身体には及ばない、少しばかり肉付きのいい自分の身体に
半ば涙目で手を振りほどく光子郎の抗議に太一はめをふせる。

「こうもあからさまだとなあ…体調にも関わってきそうだし、俺がいない間の食生活とか、心配だな。」
「!」

ちら、と下からのぞきこまれて咄嗟に目を逸らす。
自分で理由はなんとなく分かっているが、言いたくない。
けれど自分はいつだって太一が大好きで、太一に弱い。
だから太一は待つのだ。にっこり微笑んで。

「っ、だって…」

視線に耐えきれなくなり、光子郎はほんのり顔を赤くする。
それがかわいくて、もっと見たくて、太一は微笑んで続きを促す。

「太一さんが、居ると…その…ご飯が、おいしいから」
「…うん」

恥ずかしいのだろう。
とぎれとぎれに、真っ赤になって俯きながらも、
太一に心配かけまいと伝えようとしてくれる。

「いつもより食べる量が増えるというか、えっと、」

一生懸命な姿が可愛くて、このまま
最後まで聞いてやりたいところだがそうもいかなくなってしまった。

「すまん」
「え?」

突然の謝罪に驚く光子郎をよそに、ただただ事実だけを伝える。



「勃った」


……、


「えっ!?ちょ、ちょっと!」
抵抗する光子郎をおかまいなしに剥いていく。

「分かりました!痩せます!だから待って!」
「待てないし、痩せなくていーよ、抱き心地がちょうどイイ」
「太一さんが良くても、僕が嫌ですっ!
ていうか、ほんと急にッその気になるのやめて下さい!」
「あ?なんだよーお前が誘ったんだろー」
「ええ?いつ?」
「うおい…」

あれだけカワイイこと言っといて、何もされないとでも思ったか。


あなたがいるのといないのとでは

違う世界のように思える

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